【編集長コラム】鉄道車両に感情移入する時があります
編集長共有
本日のお話は、つくばエクスプレスから。
直流と交流2つの電化方式で開業した珍しい鉄道路線。
秋葉原から守谷までが直流1,500V。
守谷からつくばまでが交流20,000V。
守谷とみらい平の間の"デッドセクション"を境に、電気が切り替わります。
理由は、茨城県石岡市柿岡の、気象庁地磁気観測所。
精密な観測に影響を及ぼさぬよう、その周辺では直流電化が避けられた、と
言うわけであります。
JR常磐線が取手~藤代間で交直を切り替えているのも、まったく同じ事情です。
さて。
直流・交流の両対応車は、製造に費用がかさみます。
故につくばエクスプレスは、
全線を走ることのできる交直両用車(TX-2000系・3000系)と、
秋葉原~守谷間限定の直流専用車(TX-1000系)を、使い分けています。
経営という観点で見ると、
旅客需要の高い秋葉原を起点として、
八潮、守谷までの区間列車を運行するにあたっては
直流専用車だけで事足りる。
わざわざ高価な交直両対応車を製造せずに済む、と言う寸法です。
ところが…
そうすると、
私はどうにも、"TX-1000系 直流専用車"のことが、気にかかってしまう。
線路は、つくばまで一本に繋がっている。
同じ車庫を出て、同じホームに並び、同じ乗客を乗せる仲間がいる。
にも関わらず、守谷のあの一点より先へは、進めない。
車両に感情はありません。
最も"経営"をしている鉄道会社の采配に感情を持つ理由(筋合い)もありません…
直流専用車は秋葉原~守谷間の輸送という立派な役目を全うしているのであって、そこに憐れみなど本来は不要なもの。
もっとも、それは百も承知なのです。
承知の上で、なお。
つくばへ行けぬ直流専用車を見ると、どうにも切なくなってしまう。
"私もこの先のレールがどうなっているか、見てみたいなぁ"
そう思っているように感じてしまいます。
私たち人間は
自らの脚で、行きたいところに、行きたいときに、自由に動ける。
鉄道車両は、
一度レールに載せられると、よほどのことがない限り
別の人生を歩むことはできませんよね。
(Mr.DIMER編集長)

