【JR九州特集・D&S列車編 Vol.5】キハ185系気動車・特急「A列車で行こう」

【JR九州特集・D&S列車編 Vol.5】キハ185系気動車・特急「A列車で行こう」

マイミー

ジャズを聴きながら、天草へ。
国鉄型キハ185系が纏う“大人の旅” 特急「A列車で行こう」

列車の中に、バーがある。
窓の向こうには有明海。
車内にはジャズ。

そして、その洒落た空間を走らせているのは

”国鉄生まれのキハ185系”です。

熊本から三角へ。

黒と金を纏った観光特急「A列車で行こう」。

派手な速さも、
長い走行距離もありません。
でも、この列車には、
乗った瞬間から旅を変えてしまう“空気”があります。

「国鉄型が、大人の観光列車へ。」

ベースとなったキハ185系は、
1986年に国鉄が四国向けに投入した特急形気動車。
分割民営化を目前に、
軽量なステンレス車体を採用して登場した、
国鉄末期を象徴する形式のひとつです。
その後、一部がJR九州へ渡り、
九州横断特急などで活躍。

そして2011年。
まさかの“大変身”を遂げます。

黒とゴールドの車体。
木をふんだんに使った車内。
ステンドグラス。
そして、バーカウンター。

あの合理的な国鉄型気動車が、
ここまで色気のある列車になるとは。
鉄道車両の第二の人生って、
本当に面白いですね。

「“A”に込められた意味。」

列車名は、
ジャズの名曲「A列車で行こう」にちなんだもの。

さらに「A」には、
Amakusa――天草。
Adult――大人。
2つの意味が込められています。

列車のテーマは「大人の旅」。

外観は、
16世紀の大航海時代のヨーロッパ文化と、
古き良き天草をイメージしたもの。
かつて南蛮文化が渡来した天草へ向かう列車だからこそ、
この少し異国情緒のある世界観がよく似合います。

「列車の中に、“BAR”。」

1号車に設けられているのが、
「A-TRAIN BAR」。

飲み物を片手に、
ジャズを聴きながら車窓を眺める。
御輿来海岸をはじめ、
海沿いの景色が流れていく。

特急列車なのに、
急いで目的地へ着いてほしいとは思わない。

むしろ、
「もう少し、このまま走っていてほしい。」
そんな気分になる列車です。

「熊本から、その先の天草へ。」

列車は熊本を出発し、
宇土から三角線へ。
終点は三角駅。

でも、A列車の旅はここで終わりではありません。

駅の先には三角港。
そこから船へ乗り継ぎ、
海を越えて天草を目指す。

「列車から船へ。」

単なる“移動”ではなく、
乗り継ぐ時間まで旅にしてしまう。

ここが、
JR九州のD&S列車らしいところだと思うんです。

速く運ぶだけなら、
もっと効率のいい方法はある。
でも旅には、遠回りしたくなる時間があります。

国鉄末期に生まれ、四国を走り、
九州へ渡ったキハ185系。
そんな車両が今、ジャズを響かせながら、
天草への旅人を三角へ運んでいる。

黒と金の車体に、
少し大人びた車内。
グラスを片手に窓の外を眺めれば、
そこには有明海。

目的地へ着くことだけが、旅じゃない。

乗っている時間そのものを、
思い出に変えてくれる列車。

それが特急「A列車で行こう」です。

(マイミー)

【JR九州特集・D&S列車編 Vol.5】キハ185系気動車・特急「A列車で行こう」

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