【特集、お召し列車 Vol.5】一号編成を託された、ローズピンクの名機 EF81 81号機

【特集、お召し列車 Vol.5】一号編成を託された、ローズピンクの名機 EF81 81号機

マイミー

1973年、日立製作所で製造され、富山第二機関区へ新製配置されたEF81 81号機。

当初は、数多く存在するEF81形の一両として誕生した一般機でした。
しかし1985年、「国際科学技術博覧会・つくば科学万博」に伴って運転されたお召列車の牽引機に選ばれ、
その名を歴史に刻むことになります。
EF81形は、直流1500Vに加え、交流20,000Vの50Hz・60Hzにも対応する交直流電気機関車です。

常磐線から水戸線方面へ、電化方式の異なる区間を機関車交換なしで走行できる性能が、お召列車の牽引形式として選ばれた大きな理由の一つだったと考えられます。
お召列車牽引機への指定に際し、81号機には徹底した整備と特別な装飾が施されました。

最大の特徴は、ローズピンクの車体側面を一直線に走る細い銀色の帯。
さらに前面や乗務員扉の手すり、解放テコ、連結器、ナンバープレート周辺をはじめ、パンタグラフや高圧配線、台車周辺の一部に至るまで銀色に仕上げられました。

日章旗と菊花紋章を掲げ、昭和天皇・香淳皇后をお乗せした一号編成の先頭に立つ姿は、まさに選ばれた機関車だけに許された晴れ姿でした。
お召列車の牽引を終えた後、81号機は通常の姿へ戻されます。
1989年には赤2号へ塗装変更され、1993年には寝台特急「北斗星」の牽引機として、車体側面に流星マークを掲げる姿となりました。

そして2014年。

81号機は再びローズピンクの車体と銀帯を纏い、お召列車牽引当時を思わせる姿へ復刻されます。
ただし、1985年当時の姿が完全に再現されたわけではありません。
当時は白色の碍子や常磐線用無線アンテナ、車体色に近いランボードなどを備えていましたが、復刻後は緑色の碍子、アンテナ台座のみが残る屋根上、黒色のランボードという姿になりました。
銀帯についても、当時の光沢を持った仕上げに対し、復刻後はやや艶を抑えたものとなっています。

それでも、ローズピンクの車体に銀帯を纏った81号機の姿は、多くの鉄道ファンにお召列車牽引機としての記憶を呼び起こしました。
復刻塗装後は「カシオペア紀行」をはじめ、数々の特別列車や団体列車を牽引。
2025年には、同列車最後の営業運転も担当しました。

1985年のお召列車から、およそ40年。
昭和の一号編成を牽引した機関車が、時代を越え、JR東日本を代表する豪華列車の最後まで先頭に立ったのです。

まさに、花形列車を背負い続けた名機と呼ぶにふさわしい存在でした。
その後、81号機は2025年9月に秋田総合車両センターへED75を従え配給されました。

2026年7月現在、保存や解体を含めた今後の処遇について、JR東日本から明確な公式発表はありません。
一号編成を託された歴史的な機関車だけに、その去就が気になるところです。

EF81 81号機は、EF58 61号機のように、生まれながらのお召列車専用機として製造された機関車ではありません。

一般機として生まれ、数ある同形機の中から選び抜かれ、お召列車の先頭に立った機関車です。
そして大役を終えた後も、その記憶を象徴する銀帯を再び纏い、最後まで数々の花形列車を牽引し続けました。

専用機ではなかったからこそ、選ばれたことに価値がある。
一号編成を託されたローズピンクの名機。
それこそが、EF81 81号機のお召列車指定機としての最大の誇りなのかなと思います。

(マイミー)

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