【サ電!?】富士山麓電気鉄道が考えるサステナブル
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「引退した電車を、サウナにします」
……サ、サウナ!?
7月17日、富士急行から驚きの発表がありました。
2024年12月に定期運用を終えた富士急行線1000系「1001号編成」を、なんと丸ごとサウナ施設へ改装。
その名も――
サウナ電車「サ電(SADEN)」
2026年12月、下吉田駅の線路上に常設される予定です。
営業運転を終えた電車をサウナ施設として活用する取り組みは、同社によれば日本初。
富士山を眺めながら外気浴ができるスペースや、駅のホームをイメージした“ととのいスペース”を設置。さらに、サウナ室内には運転席を活用した仕掛けも用意されるそうです。
電車の音。
レールから伝わる振動。
そして、目の前には富士山。
鉄道ファンにとっては、果たして本当に“ととのえる”のか。
車両が来るたびに、むしろ鉄分が上がってしまいそうです。
しかし、何とも富士急らしい、良い意味でぶっ飛んだ企画ではないでしょうか。
1001号編成は、京王電鉄から譲り受け、1994年から富士急行線で活躍してきた車両です。
2012年には京王時代の塗装へ復元され、2024年12月15日に定期運用を終了しました。
引退車両の保存には、車体の劣化や維持費、安全面など、さまざまな課題がつきまといます。
ただ置いて残すのではなく、新たな役割と収益を持たせ、
観光資源として第二の人生を歩ませる。
これもまた、ひとつの車両保存の形なのかもしれません。
■鉄道ファンにはおなじみの下吉田駅
「サ電」が設置される下吉田駅は、以前から富士急行線ゆかりの車両が集められてきた場所です。
湘南色のクモハ169形前頭部、富士急5000形、2000系「フジサン特急」、そして14系寝台客車など、鉄道ファンにとっては見応えのある車両が保存されてきました。
一方、14系寝台客車などを展示していた「ブルートレインテラス」は、下吉田駅構内工事に伴い、2026年4月17日をもって営業を終了しています。
今回の発表では、14系をはじめとする既存の保存車両の今後については触れられていません。
1001号編成がサウナとして残ることは嬉しいニュースですが、ブルートレインテラスの車両たちが、これからどうなるのか。
こちらの去就も気になるところです。
■駅そのものにも残る、鉄道の風情
下吉田駅は1929年に開業。
2009年には工業デザイナー・水戸岡鋭治氏のデザインによってリニューアルされましたが、どこか懐かしく、ノスタルジックな雰囲気を今に残しています。
この駅の名物として知られているのが、構内踏切に設置された電鈴式の警報機です。
「チン、チン、チン……」
電子音ではない、機械式ならではのアナログな音。
列車が到着するたびに駅構内へ響くその音には、現代の鉄道から少しずつ失われつつある、何ともいえない風情があります。
春の桜が満開となる季節はもちろんですが、個人的には夏の夜の下吉田駅もおすすめです。
住宅街の中にたたずむ駅舎を、優しい暖色の光が照らす。
派手さはありません。
しかし、どこか懐かしく、時間がゆっくりと流れているような、とても美しい駅です。
■富士山、桜、五重塔
下吉田駅の近くには、国内外の観光客から高い人気を集める「新倉山浅間公園」があります。
公園内に建つ五重塔「忠霊塔」と桜、そして富士山。
まさに“日本”を象徴するような景色を一枚の写真に収められる、世界的にも知られた撮影スポットです。
ただし、階段はなかなかの強敵。
忠霊塔へ向かう「咲くや姫階段」は398段ありますので、
サ電でととのう前に、こちらで汗を流すのもいいかもしれません。
■乗っても、降りても鉄分豊富
富士急行線には、JRから直通する特急「富士回遊」をはじめ、個性豊かな列車が乗り入れています。
さらに線内には、富士山ビュー特急やフジサン特急など、
乗ることそのものが目的になる列車も走っています。
線内で個人的におすすめしたい車窓が、
「三つ峠―寿間の大曲がりカーブ」
大きなカーブを描きながら列車が進み、その向こうに雄大な富士山が姿を現す。
富士山に最も近い鉄道だからこそ味わえる、まさに絶景です。
走り終えた電車を、ただ眠らせるのではなく、人が集まる新しい場所へと生まれ変わらせる。
鉄道車両の保存方法として賛否はあるかもしれません。
それでも1001号編成が解体を免れ、下吉田駅で新たな役割を与えられることは、素直に喜びたいニュースです。
鉄道に乗り、富士山を眺め、電鈴式踏切の音を聞き、最後は元鉄道車両のサウナで“ととのう”。
鉄道ファンにとって、あまりにも鉄分濃度の高い旅になりそうです。
2026年12月に開業予定の「サ電」。
皆さんも一度、下吉田駅を訪れてみてはいかがでしょうか。
(マイミー)

