【鉄道公安の“別班”?!】国鉄に存在した「鉄道公安機動隊」とは

【鉄道公安の“別班”?!】国鉄に存在した「鉄道公安機動隊」とは

編集長

かつて国鉄には、
鉄道における治安維持を専門とする
「鉄道公安職員」が存在しました。

駅や列車などの警戒・警備に加え、
鉄道に関係する犯罪については、
捜査を行う権限も持っていた国鉄職員です。

現在で言えば、
鉄道警察隊に近い役割を、
鉄道事業者である国鉄自身が抱えていた格好になります。

ところが、

その鉄道公安職員の中には、
さらに「機動隊」まで存在していました。

その名も、

「鉄道公安機動隊」。

さて本回は、
鉄道公安の“別班”ともいうべき、
鉄道公安機動隊のおはなし。

鉄道公安機動隊が初めて発足したのは、
1963年4月27日。

東京鉄道管理局に、
70人からなる部隊が編成されました。

通常の鉄道公安職員が存在していたにも関わらず、
なぜ「機動隊」が必要だったのでしょうか。

その性格をよく示しているのが、
発足直後の活動です。

鉄道公安機動隊の初仕事となったのは、
ゴールデンウィークで混雑する上野駅。

当時のニュース映像には、
約5万人の行楽客で混雑する駅で、
旅客の整理にあたる姿が記録されています。

単なる案内だけではありません。

割り込みや、
列車の座席を確保して対価を求める、いわゆる「場所屋」への対応。

さらに、
車内における暴力や迷惑行為への対応、
夜行列車への警乗にも投入されました。

つまり鉄道公安機動隊は、
通常の鉄道公安業務とは別の権限を持った組織、
というわけではありません。

隊員そのものは鉄道公安職員。

その中から、
多客時の駅や列車など、
多数の人員を必要とする場所へ
集団的、機動的に投入される部隊が組織されていた、
と考えると分かりやすいでしょう。

そもそも当時の国鉄は、
全国規模の鉄道網を抱える巨大組織。

盆や年末年始ともなれば、
主要駅には現在以上に大量の旅客が集中し、
長距離列車、夜行列車も多数運転されていました。

日常的な警戒や犯罪捜査に加え、
特定の駅や列車に大量の人員を投入しなければならない場面もあったわけです。

そこで登場したのが、
「鉄道公安機動隊」でした。

一般の駅員でもなければ、
警察の機動隊でもない。

司法警察職員としての権限を持つ鉄道公安職員によって編成され、
必要に応じて駅や列車へ投入される、
国鉄独自の機動部隊。

「別班」という言葉から連想されるような
秘密の諜報組織ではありません。

しかし、

鉄道公安職員という特殊な存在の中に、
さらに「鉄道公安機動隊」があった、
現在の鉄道会社からは、
なかなか想像しにくい組織です。

1987年、
国鉄分割民営化に伴って鉄道公安制度そのものが廃止。

その役割は、
各都道府県警察に新設された
鉄道警察隊へと引き継がれていきました。

国鉄という組織が、
鉄道を走らせるだけでなく、
自ら鉄道の治安を守っていた時代。

その中には、
「機動隊」の名を持つ部隊まで存在していたのです。

(Mr.DIMER編集長)

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