【やかましく感じるのは気のせい?】横須賀・総武快速線E235系

【やかましく感じるのは気のせい?】横須賀・総武快速線E235系

編集長

横須賀・総武快速線に、
E235系1000番台が投入されて数年。

車内は静かで、乗り心地も良い、
優れた車両です。

もっとも、こと走行音に関しては、
「やかましい」と感じる向きも、
少なくないのではないでしょうか。

トンネルの多い横須賀線区間で、
モーターを甲高く唸らせ、
力強く加減速する様は、
かつての近郊型電車の
ゆったりとした走りとは、
明らかに趣を異にします。

この"体感"の背景を、
歯車比という数字から
ひも解いて参りましょう。

歯車比とは、
モーターの回転を車輪へ伝える際の、
減速比のこと。

一般に、この数値が大きいほど、
低速域での加速力に優れる反面、
高速域ではモーターが
高回転を強いられる傾向にあります。

平たく申せば、
数字が大きいほど
"加速重視・高速では忙しない"
設計と言えます。

では、横須賀・総武快速線を
歴代走ってきた車両と、
同時期の山手線車両の歯車比を、
並べてみましょう。

・103系(山手線/通勤型)……1:6.07
・113系(横須賀総武/近郊型)…1:4.82
・E217系(近郊型後継)………1:6.06
・E235系(1000番台)………1:7.07

まず注目すべきは、113系。

横須賀・総武快速線を長らく担った
近郊型113系の歯車比は、1:4.82。

これは、同時期に山手線を走っていた
通勤型103系の1:6.07よりも、
小さい値です。

すなわち113系は、
高速走行に適した設計。
長距離を、高い速度で流す。
近郊型らしい味付けと申せましょう。

対して、現代のE235系は1:7.07。

歴代の中で、飛び抜けて大きい数値です。

無論、E235系はVVVFインバータ制御を
採用した現代車両であり、
抵抗制御の103系・113系とは
制御方式が根本から異なります。

故に、歯車比のみをもって
単純に優劣を論じることは、
できません。

できませんが、
かつての近郊型113系の1:4.82と、
現代のE235系の1:7.07。

この数値の隔たりは、
両者の走行特性が
大きく異なることを示していると
捉えてよいかと思われます。

低い歯車比で、高速域を伸びやかに走った、
かつての近郊型。

高い歯車比で、加減速を機敏にこなす、
現代の通勤・近郊兼用車。

同じ"横須賀・総武快速線を走る車両"でも、
その設計思想は、
時代とともに変化した。

E235系の"やかましさ"の一因は、
この歯車比の変遷と、
横須賀・総武快速線の地下区間で反響するモーター、走行音の印象に
表れているのかもしれません。

(Mr.DIMER編集長)

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