【名脇役】キハ17
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急行でもない。特急でもない。
それでも、日本中のローカル線には、いつもこの気動車がいました。
"国鉄キハ17形"
1953年、国鉄初の本格的な液体式気動車「キハ10系」の一員として誕生したこの車両は、華々しいデビューを飾ったスターではありません。
しかし、その功績は計り知れないものがあります。
それまで非電化路線の主役だった蒸気機関車を少しずつ置き換え、全国各地で無煙化を推し進めた立役者と言えるのではないでしょうか。
朝は学生を学校へ送り、昼は買い物客を町へ運び、夕方には仕事を終えた人々を家へと帰す。
観光列車ではなく、毎日の「当たり前」を支え続けた列車でした。
細身の車体に170馬力のDMH17エンジン。
決して力持ちではありません。
勾配では懸命にエンジンを唸らせ、夏は窓を全開にして風を受けながら走る。
全国どこへ行っても朱色のキハ17が走っていた時代がありました。
液体変速機の採用、総括制御の実用化。
後に登場するキハ20系、キハ58系、そしてキハ80系へと受け継がれていく技術の礎を築いたのも、このキハ17形でした。
言ってみれば、後の名車たちが活躍できたのは、この車両が道を切り開いたから。
スターではない。
記念列車として脚光を浴びる機会も少ない。
保存車も決して多くありません。
だからこそ、忘れてはいけない車両だと思うのです。
国鉄には、華やかな名車が数多く存在します。
しかし、その陰で日本中の暮らしを支え、地方の鉄道を変えた車両がいました。
誰よりも働き、誰よりも人々の日常に寄り添った気動車。
"気動車の名脇役"
この言葉ほど、
キハ17形に似合う称号はないのではないでしょうか。
(マイミー)
