Mr.DIMER Journal
【特急列車の未来】“万能特急”はもう生まれない?これからを担う新時代の特急型とは。
かつて日本には、“どこへでも行ける特急型”がいました。 その代表格が485系。 直流1500V、交流50Hz・60Hzに対応し、東北、北陸、関西、九州まで、日本列島を縦横無尽に駆け回った国鉄特急の万能選手です。昼行特急から夜行列車までこなし、転属を繰り返しながら全国各地で活躍。 まさに、「とりあえず485系を持ってくれば何とかなる。」そんな存在でした。 ではこれから先、485系のような“万能特急”は再び生まれるのでしょうか。私の独断と偏見で言えば、おそらく答えは「NO」。しかし、それは特急型が退化したという意味ではありません。 むしろ時代は、“何でもできる車両”から、その路線で「最強」の車両へ。大きく変わり始めています。 「通勤型とは、むしろ逆方向へ」ここが面白いところです。現在の通勤型電車は、設計や機器を共通化し、標準化する方向へ進んでいます。 部品を共通化して保守をしやすくする。製造コストを抑える。複数の線区で使いやすくする。大量に必要な通勤型だからこそ、「なるべく同じものを効率よく使う」そんな思想が強くなっています。 ところが、特急型はむしろ逆。 通勤型が“標準化”へ向かう一方で、特急型は“専用化”へ向かっているとは思いませんか? 「273系・伯備線を極めた新世代振り子車両」 その代表格が、2024年に営業運転を開始した273系「やくも」。長年伯備線を走った381系の後継として誕生しました。最大の特徴は、「車上型制御付き自然振り子方式」。車両側で走行位置を把握し、カーブへ入るタイミングに合わせて振り子動作を制御。 速達性を維持しながら、乗り心地の改善を狙っています。全席コンセントや大型荷物スペースなど、設備面も現代仕様。しかし重要なのは、273系が「全国どこでも走るための車両」ではないこと。 伯備線という曲線の多い山岳路線。そして「やくも」という列車。そこへ徹底的に合わせて造られています。 「385系・(しなの)のために進化する次世代特急」 さらに、この流れを強く感じさせるのが385系。383系「しなの」の後継を見据え、JR東海が開発を進める次世代特急型電車です。名古屋から長野へ向かう中央西線は、とにかくカーブが多い。そこで385系では、新しい振子制御技術を採用。383系が築いた曲線通過性能を受け継ぎながら、さらに乗り心地を向上させることが狙われています。 つまり385系に求められているのも、「全国で使えること」ではありません。“中央西線で、いかに速く、快適に走るか。”そこへ能力を振り切った車両です。 「HC85系・気動車という常識まで変えた特急型」 そしてもう一両。新時代を象徴する存在として外せないのがHC85系です。キハ85系の後継として登場しましたが、形式名には「キハ」の文字がありません。HC85系は、従来のディーゼルカーとは仕組みが大きく異なります。エンジンで発電した電気と蓄電池の電力を使い、モーターで車輪を回すハイブリッド方式。 非電化区間を走る特急だからといって、昔ながらの液体式気動車でなければならない。そんな常識も、過去のものになりつつあります。 現在は「ひだ」「南紀」で活躍。 環境性能だけでなく、静粛性、加速性能、快適性まで含め、 “非電化特急とはどうあるべきか。” その答えを一から作り直した車両とも言えるでしょう。 「同じものを使う通勤型」と「違うものを造る特急型」 こうして見ると、現代の鉄道車両は面白い方向へ進んでいます。 通勤型は、標準化。共通化。大量生産。保守の効率化。 一方の特急型は、線区専用。列車専用。乗り心地重視。その路線ならではの性能。 同じ鉄道車両でありながら、両者は逆方向へ進んでいるのです。 もちろん、特急型にも部品共通化やコスト削減は必要です。それでも最後に残るのは、...
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かつて日本には、“どこへでも行ける特急型”がいました。 その代表格が485系。 直流1500V、交流50Hz・60Hzに対応し、東北、北陸、関西、九州まで、日本列島を縦横無尽に駆け回った国鉄特急の万能選手です。昼行特急から夜行列車までこなし、転属を繰り返しながら全国各地で活躍。 まさに、「とりあえず485系を持ってくれば何とかなる。」そんな存在でした。 ではこれから先、485系のような“万能特急”は再び生まれるのでしょうか。私の独断と偏見で言えば、おそらく答えは「NO」。しかし、それは特急型が退化したという意味ではありません。 むしろ時代は、“何でもできる車両”から、その路線で「最強」の車両へ。大きく変わり始めています。 「通勤型とは、むしろ逆方向へ」ここが面白いところです。現在の通勤型電車は、設計や機器を共通化し、標準化する方向へ進んでいます。 部品を共通化して保守をしやすくする。製造コストを抑える。複数の線区で使いやすくする。大量に必要な通勤型だからこそ、「なるべく同じものを効率よく使う」そんな思想が強くなっています。 ところが、特急型はむしろ逆。 通勤型が“標準化”へ向かう一方で、特急型は“専用化”へ向かっているとは思いませんか? 「273系・伯備線を極めた新世代振り子車両」 その代表格が、2024年に営業運転を開始した273系「やくも」。長年伯備線を走った381系の後継として誕生しました。最大の特徴は、「車上型制御付き自然振り子方式」。車両側で走行位置を把握し、カーブへ入るタイミングに合わせて振り子動作を制御。 速達性を維持しながら、乗り心地の改善を狙っています。全席コンセントや大型荷物スペースなど、設備面も現代仕様。しかし重要なのは、273系が「全国どこでも走るための車両」ではないこと。 伯備線という曲線の多い山岳路線。そして「やくも」という列車。そこへ徹底的に合わせて造られています。 「385系・(しなの)のために進化する次世代特急」 さらに、この流れを強く感じさせるのが385系。383系「しなの」の後継を見据え、JR東海が開発を進める次世代特急型電車です。名古屋から長野へ向かう中央西線は、とにかくカーブが多い。そこで385系では、新しい振子制御技術を採用。383系が築いた曲線通過性能を受け継ぎながら、さらに乗り心地を向上させることが狙われています。 つまり385系に求められているのも、「全国で使えること」ではありません。“中央西線で、いかに速く、快適に走るか。”そこへ能力を振り切った車両です。 「HC85系・気動車という常識まで変えた特急型」 そしてもう一両。新時代を象徴する存在として外せないのがHC85系です。キハ85系の後継として登場しましたが、形式名には「キハ」の文字がありません。HC85系は、従来のディーゼルカーとは仕組みが大きく異なります。エンジンで発電した電気と蓄電池の電力を使い、モーターで車輪を回すハイブリッド方式。 非電化区間を走る特急だからといって、昔ながらの液体式気動車でなければならない。そんな常識も、過去のものになりつつあります。 現在は「ひだ」「南紀」で活躍。 環境性能だけでなく、静粛性、加速性能、快適性まで含め、 “非電化特急とはどうあるべきか。” その答えを一から作り直した車両とも言えるでしょう。 「同じものを使う通勤型」と「違うものを造る特急型」 こうして見ると、現代の鉄道車両は面白い方向へ進んでいます。 通勤型は、標準化。共通化。大量生産。保守の効率化。 一方の特急型は、線区専用。列車専用。乗り心地重視。その路線ならではの性能。 同じ鉄道車両でありながら、両者は逆方向へ進んでいるのです。 もちろん、特急型にも部品共通化やコスト削減は必要です。それでも最後に残るのは、...
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【試作車の特徴?】"目つきが鋭い"100系のお話
100系といえば、0系の丸みを帯びた姿から一転、細長い前照灯と「シャークノーズ」による精悍な顔立ちが特徴の新幹線電車、でした。 しかし――同じ100系でも、よく見ると妙に「目つきの鋭い」車両が存在しました。 100系の試作車として製造された9000番台・X0編成のことです。 1985年に登場したX0編成は、後の量産車とは細かな部分が異なっており、そのひとつが前照灯。 試作車では前照灯が量産車よりも強く傾斜しており、正面から見ると明らかに「つり目」。 一方、量産車ではこの角度が緩められ、私たちがよく知る100系のやや穏やかな表情となりました。 違いは目だけではありません。 X0編成には、量産車より小さな客室窓が並ぶほか、先頭車の細部や扉配置などにも試作車特有の仕様が存在しました。 その後、X0編成は量産化改造を受けて「X1編成」となりますが、この特徴的なつり目の前照灯は残されました。 つまり100系が活躍していた時代、編成番号を知らなくても、 「なんだかこの100系、目つきが鋭いぞ」 と感じたなら、それは元・試作車のX1編成だった可能性が高いわけです。 一見ほとんど同じに見える100系。 しかし顔つきを見れば、たった1編成しか存在しなかった試作車の面影を見分けることができました。 その後、量産車の登場、営業運転での実績を受け、本編成も"量産化改造"を受けることになりますが、これにより消えていった「試作車らしさ」は、表情に残されていたのです。 (Mr.DIMER編集長)
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100系といえば、0系の丸みを帯びた姿から一転、細長い前照灯と「シャークノーズ」による精悍な顔立ちが特徴の新幹線電車、でした。 しかし――同じ100系でも、よく見ると妙に「目つきの鋭い」車両が存在しました。 100系の試作車として製造された9000番台・X0編成のことです。 1985年に登場したX0編成は、後の量産車とは細かな部分が異なっており、そのひとつが前照灯。 試作車では前照灯が量産車よりも強く傾斜しており、正面から見ると明らかに「つり目」。 一方、量産車ではこの角度が緩められ、私たちがよく知る100系のやや穏やかな表情となりました。 違いは目だけではありません。 X0編成には、量産車より小さな客室窓が並ぶほか、先頭車の細部や扉配置などにも試作車特有の仕様が存在しました。 その後、X0編成は量産化改造を受けて「X1編成」となりますが、この特徴的なつり目の前照灯は残されました。 つまり100系が活躍していた時代、編成番号を知らなくても、 「なんだかこの100系、目つきが鋭いぞ」 と感じたなら、それは元・試作車のX1編成だった可能性が高いわけです。 一見ほとんど同じに見える100系。 しかし顔つきを見れば、たった1編成しか存在しなかった試作車の面影を見分けることができました。 その後、量産車の登場、営業運転での実績を受け、本編成も"量産化改造"を受けることになりますが、これにより消えていった「試作車らしさ」は、表情に残されていたのです。 (Mr.DIMER編集長)
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【デザインの変化】ホームドアの設置で変わりゆく"横帯"の在り方
<横に引くのが当たり前だったラインカラー。ホームドアの普及が、その常識を変え始めています。> ステンレス製の車体に、一本の色帯を通す。 首都圏の通勤電車では、長らく当たり前に見られてきたデザインです。 山手線ならウグイス色。中央線ならオレンジ。京浜東北線ならスカイブルー。 無機質な銀色の車体にラインカラーを配することで、遠目からでも「何線の電車なのか」を判別できる。 車体を横方向に貫く帯は、装飾であると同時に、鉄道車両にとって重要な識別表示でもありました。 ところが近年、その「横帯」に変化が生じています。 理由のひとつが、ホームドアの普及です。 従来のラインカラーは、車体の窓下、いわゆる腰部へ配置されることが一般的でした。 しかしホームドアが設置されると、まさにその部分が隠れてしまいます。 何線の車両なのかを伝えるための色が、ホームから見えない。 安全設備の普及によって、車両側も「どこに色を置くのか」を考え直す必要が生じたのです。 その代表例が、2015年に登場した山手線E235系です。 先代のE231系500番台まで続いていた窓下のウグイス帯は姿を消し、E235系では乗降扉を中心として縦方向にラインカラーを配置。 ホームドア越しでも確認できる場所へ色そのものを移しました。 興味深いことに、同じE235系でも横須賀・総武快速線用の1000番台では、青とクリームの伝統的な横帯が採用されています。 ホームドアのない区間を多く走行することから、こちらでは従来型の横帯が残されたもの。 同じE235系でありながら、走る路線によってラインカラーの考え方まで異なるのです。 東京メトロでも、同様の変化を見ることができます。 丸ノ内線2000系では、かつての300形を思わせる白い「サインウェーブ」を復活させましたが、その位置は車体上部。 東京メトロ自身も、ホームドア区間でも見やすくするため上部へ配置したと説明しています。 さらに北綾瀬支線で使用された千代田線05系では、従来の腰部の帯に加え、わざわざ窓上にもラインカラーを追加。 ホームドアによって帯が見えなくなることを前提に、「もう一本、上に色を置く」という対応が採られました。 そして、この変化が現在も続いていることを示すのが、東京臨海高速鉄道りんかい線の新型71-000形です。 2025年10月に営業運転を開始した同形式では、エメラルドブルーのグラデーションを車体腰部だけでなく、窓まわりを含む上部まで大きく展開。 東京臨海高速鉄道は、その理由について「ホームドアの高さを考慮」したものと明記しています。 さらに号車表示や車いす、ベビーカーのピクトグラムについても、ホームドア越しに見やすい車体上部へ配置。 もはやホームドアは、完成した車両を後から隠してしまう設備ではありません。 新型車両を設計する段階から、「ホームドア越しにどう見えるのか」が外観デザインの条件に組み込まれているのです。 横へ引く。上へ移す。扉へ縦に配置する。あるいは車体上部まで大胆に色を広げる。...
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<横に引くのが当たり前だったラインカラー。ホームドアの普及が、その常識を変え始めています。> ステンレス製の車体に、一本の色帯を通す。 首都圏の通勤電車では、長らく当たり前に見られてきたデザインです。 山手線ならウグイス色。中央線ならオレンジ。京浜東北線ならスカイブルー。 無機質な銀色の車体にラインカラーを配することで、遠目からでも「何線の電車なのか」を判別できる。 車体を横方向に貫く帯は、装飾であると同時に、鉄道車両にとって重要な識別表示でもありました。 ところが近年、その「横帯」に変化が生じています。 理由のひとつが、ホームドアの普及です。 従来のラインカラーは、車体の窓下、いわゆる腰部へ配置されることが一般的でした。 しかしホームドアが設置されると、まさにその部分が隠れてしまいます。 何線の車両なのかを伝えるための色が、ホームから見えない。 安全設備の普及によって、車両側も「どこに色を置くのか」を考え直す必要が生じたのです。 その代表例が、2015年に登場した山手線E235系です。 先代のE231系500番台まで続いていた窓下のウグイス帯は姿を消し、E235系では乗降扉を中心として縦方向にラインカラーを配置。 ホームドア越しでも確認できる場所へ色そのものを移しました。 興味深いことに、同じE235系でも横須賀・総武快速線用の1000番台では、青とクリームの伝統的な横帯が採用されています。 ホームドアのない区間を多く走行することから、こちらでは従来型の横帯が残されたもの。 同じE235系でありながら、走る路線によってラインカラーの考え方まで異なるのです。 東京メトロでも、同様の変化を見ることができます。 丸ノ内線2000系では、かつての300形を思わせる白い「サインウェーブ」を復活させましたが、その位置は車体上部。 東京メトロ自身も、ホームドア区間でも見やすくするため上部へ配置したと説明しています。 さらに北綾瀬支線で使用された千代田線05系では、従来の腰部の帯に加え、わざわざ窓上にもラインカラーを追加。 ホームドアによって帯が見えなくなることを前提に、「もう一本、上に色を置く」という対応が採られました。 そして、この変化が現在も続いていることを示すのが、東京臨海高速鉄道りんかい線の新型71-000形です。 2025年10月に営業運転を開始した同形式では、エメラルドブルーのグラデーションを車体腰部だけでなく、窓まわりを含む上部まで大きく展開。 東京臨海高速鉄道は、その理由について「ホームドアの高さを考慮」したものと明記しています。 さらに号車表示や車いす、ベビーカーのピクトグラムについても、ホームドア越しに見やすい車体上部へ配置。 もはやホームドアは、完成した車両を後から隠してしまう設備ではありません。 新型車両を設計する段階から、「ホームドア越しにどう見えるのか」が外観デザインの条件に組み込まれているのです。 横へ引く。上へ移す。扉へ縦に配置する。あるいは車体上部まで大胆に色を広げる。...
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【絶滅寸前!?】みんな大好きMT54・国鉄名車を支えた120kWの主電動機
「107系、113系、115系、165系、485系、185系…あらゆる国鉄名車の足元には、いつもコイツがいた」 国鉄型電車が加速するときに響く、あの独特の唸り。車両形式を知らなくても、この音を聞けば、「あぁ、国鉄型だ。」そう感じる人もいるのではないでしょうか。 今回の主役は車両ではありません。 ”主電動機・MT54形”。 国鉄電車の黄金時代を、床下から支え続けた名機です。 “100kWでは足りない” MT54が登場したのは1960年代初頭。それまで153系などの新性能電車では、定格出力100kWのMT46形が使われていました。しかし列車の長編成化、高速化、そして勾配線区への進出によって、より強力な主電動機が求められます。 そこで登場したのが、 「定格出力120kWのMT54形。」 三菱電機の当時の技術資料にも、国鉄向けの120kW級主電動機としてMT54の名が記されていますたった20kWの差に見えますが、1両4基なら合計480kW。MT46に対して約20%の出力向上です。この余裕が、国鉄電車の活躍範囲を大きく広げていきました。 165系を山へ送り込んだ120kW その代表格が”165系”です。 平坦線主体の153系に対し、165系は上越線や中央本線など、勾配線区での使用を考慮して誕生しました。MT54による出力向上に加え、抑速発電ブレーキも装備。峠を登り、そして長い下り勾配を安全に降りる。 「MT54」は、国鉄の急行形電車を本格的に“山へ送り込んだ”主電動機のひとつでした。 「気が付けば、日本中にMT54」 そしてMT54最大の凄さは、その汎用性です。 113系、115系。165・169系。453系以降の交直流急行形。485・489系。583系。117系。185系。 近郊形、急行形、特急形。 直流電車から交直流電車まで、実に幅広い車両へ採用されました。 113系や115系では毎日の普通列車を走り、165系では峠を越え、485系では全国を駆ける特急列車を支える。 同じ120kWのモーターが、日本中でまったく違う仕事をしていたのです。 そして、「みんな大好き“あの音”」 MT54を語るなら、やっぱり外せないのが”音”でしょう。 抵抗制御で加速すると、速度の上昇とともに床下から響いてくる、あの力強い唸り。 115系で聞くMT54。 165系で聞くMT54。 185系で聞くMT54。 歯車比や台車、車体、運転条件が違えば、同じモーターでも聞こえ方は変わります。 だからこそ、「115系がいい」 「いや185系だ」...
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「107系、113系、115系、165系、485系、185系…あらゆる国鉄名車の足元には、いつもコイツがいた」 国鉄型電車が加速するときに響く、あの独特の唸り。車両形式を知らなくても、この音を聞けば、「あぁ、国鉄型だ。」そう感じる人もいるのではないでしょうか。 今回の主役は車両ではありません。 ”主電動機・MT54形”。 国鉄電車の黄金時代を、床下から支え続けた名機です。 “100kWでは足りない” MT54が登場したのは1960年代初頭。それまで153系などの新性能電車では、定格出力100kWのMT46形が使われていました。しかし列車の長編成化、高速化、そして勾配線区への進出によって、より強力な主電動機が求められます。 そこで登場したのが、 「定格出力120kWのMT54形。」 三菱電機の当時の技術資料にも、国鉄向けの120kW級主電動機としてMT54の名が記されていますたった20kWの差に見えますが、1両4基なら合計480kW。MT46に対して約20%の出力向上です。この余裕が、国鉄電車の活躍範囲を大きく広げていきました。 165系を山へ送り込んだ120kW その代表格が”165系”です。 平坦線主体の153系に対し、165系は上越線や中央本線など、勾配線区での使用を考慮して誕生しました。MT54による出力向上に加え、抑速発電ブレーキも装備。峠を登り、そして長い下り勾配を安全に降りる。 「MT54」は、国鉄の急行形電車を本格的に“山へ送り込んだ”主電動機のひとつでした。 「気が付けば、日本中にMT54」 そしてMT54最大の凄さは、その汎用性です。 113系、115系。165・169系。453系以降の交直流急行形。485・489系。583系。117系。185系。 近郊形、急行形、特急形。 直流電車から交直流電車まで、実に幅広い車両へ採用されました。 113系や115系では毎日の普通列車を走り、165系では峠を越え、485系では全国を駆ける特急列車を支える。 同じ120kWのモーターが、日本中でまったく違う仕事をしていたのです。 そして、「みんな大好き“あの音”」 MT54を語るなら、やっぱり外せないのが”音”でしょう。 抵抗制御で加速すると、速度の上昇とともに床下から響いてくる、あの力強い唸り。 115系で聞くMT54。 165系で聞くMT54。 185系で聞くMT54。 歯車比や台車、車体、運転条件が違えば、同じモーターでも聞こえ方は変わります。 だからこそ、「115系がいい」 「いや185系だ」...
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【白って200色あんねん】西日本の0系はオリジナルより"白"かった!?
0系といえば「白と青」。 しかし、登場時の地色は真っ白ではなく、やや黄みを帯びた「クリーム10号」でした。 JR西日本の0系も、発足当初から白かったわけではありません。1990年代に入ってから、100系と同じ明るい「白3号」へ順次変更。 つまり晩年の0系は、オリジナルの0系よりも“白かった”のです。 同じ0系でも、時代によって「白」が違う。 200色の"白色"の内、2色はここで使っていた、と言うわけです。 (Mr.DIMER編集長)
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【最強!】エンジン換装で大出力を手に入れたキハ40は?
<220馬力から450馬力へ。北海道で生まれた、異端のキハ40> 1977年に登場した国鉄キハ40系。 全国各地の非電化路線へ投入され、その頑丈さから長く使われる一方、走行性能については決して高い評価ばかりではありませんでした。 新製時に搭載されたDMF15HSA形エンジンは、出力220PS。 重量級の車体に対してエンジンは1基。JR移行後には各社で、冷房化や走行性能向上などを目的としてエンジン換装が進められることとなります。 では、その中で最も強力なエンジンを手に入れたキハ40系は何だったのでしょうか。 形式変更された車両まで含めて追ってみます。 JR西日本 コマツ製SA6D125H-1Aへ換装し330PS。 JR東海 カミンズ製C-DMF14HZ系を搭載して350PSまで強化。 原形の220PSからすれば、これだけでも相当な出力向上です。 JR九州 一部のキハ40・47を高出力化し、形式そのものをキハ140形・キハ147形へ変更。 こちらはSA6D125-HD1などを搭載し、出力は360PSに達しました。 しかし、さらに上があります。 それがJR北海道の、キハ40 401・402。 1996年、札沼線の石狩当別―新十津川間で使用するため、キハ40形700番台2両を改造して誕生したキハ40形400番台です。 搭載されたN-DMF13-HZD形エンジンの出力は、450PS。 原形の220PSに対して、実に2倍以上。 キハ40系を種車とした車両としては、最高クラスの出力を持つ車両となりました。 しかも400番台の改造は、単なるエンジン換装ではありません。 札沼線末端部では、冬季に積雪を押しのけながら単行で走行する必要がありました。 そこで450PS化と同時に、従来の1軸駆動から2軸駆動へ変更。 大出力を持て余すことなく、雪中で確実に地面へ伝えるため、足回りまで手が加えられています。 なお、名前がよく似たJR北海道のキハ400形も存在します。こちらもキハ40から改造された急行形車両ですが、搭載するDMF13HZは330PS。 つまり、キハ400形=330PS に対し、キハ40形400番台=450PSです。 全国各地で様々な改造を受けたキハ40系。 その頂点に立ったのは、華やかな急行用でも観光列車でもなく、北海道のローカル線で雪と戦うために造られた、わずか2両のキハ40でした。 220PSから450PSへ。 外観こそ紛れもないキハ40ながら、その走行機構は原形車とは別物ともいえるところまで進化していたのです。 (Mr.DIMER編集長)
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<220馬力から450馬力へ。北海道で生まれた、異端のキハ40> 1977年に登場した国鉄キハ40系。 全国各地の非電化路線へ投入され、その頑丈さから長く使われる一方、走行性能については決して高い評価ばかりではありませんでした。 新製時に搭載されたDMF15HSA形エンジンは、出力220PS。 重量級の車体に対してエンジンは1基。JR移行後には各社で、冷房化や走行性能向上などを目的としてエンジン換装が進められることとなります。 では、その中で最も強力なエンジンを手に入れたキハ40系は何だったのでしょうか。 形式変更された車両まで含めて追ってみます。 JR西日本 コマツ製SA6D125H-1Aへ換装し330PS。 JR東海 カミンズ製C-DMF14HZ系を搭載して350PSまで強化。 原形の220PSからすれば、これだけでも相当な出力向上です。 JR九州 一部のキハ40・47を高出力化し、形式そのものをキハ140形・キハ147形へ変更。 こちらはSA6D125-HD1などを搭載し、出力は360PSに達しました。 しかし、さらに上があります。 それがJR北海道の、キハ40 401・402。 1996年、札沼線の石狩当別―新十津川間で使用するため、キハ40形700番台2両を改造して誕生したキハ40形400番台です。 搭載されたN-DMF13-HZD形エンジンの出力は、450PS。 原形の220PSに対して、実に2倍以上。 キハ40系を種車とした車両としては、最高クラスの出力を持つ車両となりました。 しかも400番台の改造は、単なるエンジン換装ではありません。 札沼線末端部では、冬季に積雪を押しのけながら単行で走行する必要がありました。 そこで450PS化と同時に、従来の1軸駆動から2軸駆動へ変更。 大出力を持て余すことなく、雪中で確実に地面へ伝えるため、足回りまで手が加えられています。 なお、名前がよく似たJR北海道のキハ400形も存在します。こちらもキハ40から改造された急行形車両ですが、搭載するDMF13HZは330PS。 つまり、キハ400形=330PS に対し、キハ40形400番台=450PSです。 全国各地で様々な改造を受けたキハ40系。 その頂点に立ったのは、華やかな急行用でも観光列車でもなく、北海道のローカル線で雪と戦うために造られた、わずか2両のキハ40でした。 220PSから450PSへ。 外観こそ紛れもないキハ40ながら、その走行機構は原形車とは別物ともいえるところまで進化していたのです。 (Mr.DIMER編集長)
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