【なぜ?】最近の車両が"おちょぼ口"になった理由

【なぜ?】最近の車両が"おちょぼ口"になった理由

編集長

"おちょぼ口"。
「小さく可愛らしい、または気取ってすぼめた口の形(口元)のこと」と、形容できますが、
今回取り上げる鉄道車両で言うところの"おちょぼ口"とは、
スカート(排障器)の形状のこと。

このスカートの形状・形態のうち、
連結器周りの開口部が小さい様子を"おちょぼ口"と表現しました。

■スカートの役割
鉄道の安全輸送を支えるパーツである、"スカート"。

スカートには、障害物の巻き込みを防止する役割があり、
走行中に線路上の障害物(石、倒木、動物、あるいは踏切事故での自動車の破片など)を跳ね飛ばし、
床下機器への接触を減らすほか、
高価な床下機器の保護機能も果たします。
その上で、車両同士の増解結を行う装置、連結器や編成全体を制御するための配線類に、
"支障しないよう開口部が開けてある"、それがスカートの"機能的形状"です。

■連結器周りの開口部を左右する理由
鉄道車両において前面(顔)に配置・設置されるパーツは、
大なり小なり、大きく印象(表情)を変える力を持ちます。

その中でも、スカート(排障器)の与えるインパクトが大きいということは、
以前の記事でもお届けしたことがありますが、
そのスカート、
連結器周りの開口部の"大きさ"は、
連結関係機材に"必要な分"により変わる、と言うことができます。

鉄道車両の連結は、物理的連結と別に"列車全体を制御するための装置を繋ぐ作業"が必要となります。
そのため、"連結器"と"その周り"には、ジャンパ栓があり、
それらのための開口部がありました。

旧来型(113系や115系)の車両は、これら連結器(密着)とジャンパ栓を併設されているため、
開口部が広い。
"があっ"と口を開けたような印象です。

一方ここ最近(と言っても国鉄分割民営化前後、80年代~90年代)ですが、
"電気連結器の普及"によって、
ジャンパ栓を設置していない車両が増えてきました。

電気連結器によって、ジャンパ栓の持つ機能を連結器に持たせることができるようになったことで、
ジャンパ栓が支障しないよう、開口部を広く設ける必要が無くなり
"おちょぼ口"の車両が増えてきた。と言うわけです。

最も、旧来の車両でも、
ジャンパ栓やジャンパ栓受けを頻繁に使用しないことから、スカートにフタの付いた車両もあるなど、
前面部分の印象処理は鉄道車両・鉄道会社によって多様です。

やはりスカートは興味深いパーツの一つですね。

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